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アルミニウム素材と設計に定評のあるスカリエッティが、自動車部品分野では初めて用いられるものを含む12種の合金を採用し、新たな接合、組み立て法を取り入れ、全く新しいスペースフレーム・シャシーとボディをデザインしました。

これにより、リアへの重量配分は理想的な54%を実現し、車輌重量は1,525kg(従来型V12モデルと比較して70kg減)と軽量化されました。

 

「F12 ベルリネッタ」に搭載される6,262cc 65度角V12エンジンは、自然吸気12気筒エンジンとして前例のない性能と回転数を発揮します。

最大出力は740 CVで、1リッター当たり118 CVに相当します。最大トルクは690 Nmで、その80%が2,500 rpmという低回転域から発生されます。そこから8,700 rpmのレブ・リミットまで、シームレスに加速し続けます。
 

このエンジンには特別にこのモデルのパフォーマンスに合わせて開発されたクロスレシオのF1デュアル・クラッチ・トランスミッションを採用しています。「F12 ベルリネッタ」のパワーウェイトレシオは、2.1 kg/CVを達成しています。燃料消費量は、CO2排出量を350 g/kmに抑えることによって30%削減しています。

これは、「F12 ベルリネッタ」をハイパフォーマンス・モデルにおけるトップレベルの数値にあたります。これらの結果は、車全体(エンジン・空気力学・タイヤ・車輌重量)の効率に特化した徹底した研究と開発によって達成されました。


同様に、空気力学面の開発でも優れた結果を達成しています。大規模な計算流体力学(CFD)シミュレーションと膨大なウィンド・トンネル実験の結果がデザインの過程で取り入れられたことによって実現したもので、ダウンフォースは76%増(時速200 km123
kg)となる一方で、ドラッグは飛躍的に減少しています(Cd値0.299)。これは、2つの新しい解決法によってもたらされました。

ひとつは、ボンネットでダウンフォースを発生させるエアロ・ブリッジと呼ばれるもので、空気の流れを車輌上部から側面に誘導し、ホイールアーチからの乱流との相互作用によって空気抵抗を低減させるものです。2つ目はアクティブ・ブレーキ・クーリングで、ブレーキ冷却エア・インテークを高温下でのみ開くシステムでドラッグの低減に寄与します。

さらに、「F12 ベルリネッタ」は、フェラーリ最新のカーボン・セラミック・ブレーキ(CCM3)と磁性流体力学式サスペンション・コントロール・システム(SCM-E)を採用し
ています。現在、すべてのフェラーリにとって伝統的な制御システム(E-Diff、ESC、F1-Trac、ハイパフォーマンスABS)も統合されています。
 

その結果、0-100 km/h加速が3.1秒、0-200 km/h加速が8.5 秒を実現しました。フィオラーノ・サーキットのラップタイムは1分23秒で、フェラーリのロードカーにおいては最速です。ベンチマークとなるパフォーマンスと、最大のドライビング・コントロールはコーナーでのターンインでも明らかです。ステアリング・アングルを若干変化させるだけで、圧倒的なスピードでコーナーを駆け抜けます。ブレーキング時の制動距離も飛躍的に短縮しています。


「F12 ベルリネッタ」のデザインは、フェラーリ・スタイリング・センターとピニンファリーナのコラボレーションによるもので、フェラーリのV12 型フロント・エンジンの特徴である、調和の取れた比率による空気力学の完璧なバランスを具現化しています。

洗練され、アグレッシブなラインを描くクーペ・ボディは、そのコンパクトな外部ディメンジョンとは相反する室内スペースと快適性を確保しています。ポルトローナフラウのレザーを使用した新しいインテリアは、最新の技術と洗練された細部に至るまで手作業で設えられ、そのバランスのよさが目を引きます。

軽量で傾きのあるダッシュボードの中央部には、新カーボン・ファイバーが用いられ、航空分野のデザインからインスピレーションを受けたアルミニウムの空気孔がデザインされています。
 

キャビンは、シート後部に設けられたラゲッジスペースを含めて、車内スペースの使いやすさを追求し最適化されています。このスペースには、テールゲートのデザインにより空間が確保されたため簡単に手が届きます。

ドライバー周辺のコクピットは、すべてのフェラーリ・モデルと同様、最大の人間工学を保証するため、すべての主要コマンドがすぐに手にする範囲にグループ化するヒューマン・マシン・インターフェス(HMI)が適用されています。