今回はF430です。 この車は360の後継として04年のパリサロンでデビューしました。 その半年後オープンモデルのスパイダーがデビューになり、更に2年半後にライトウェイトスポーツモデルのスクーデリアが発表になりました。 公道走行が出来るF430シリーズのラインナップは以上の3種類ですが、どれも完成度の高さから大人気で新車の購入は2年待ちが当たり前でした。 旧モデルである355や360とF430がどれぐらい違うのか?と良く聞かれます。 フェラーリは絶えずF1で培った最新技術を生産車に導入しているので新しいモデルが最良といえます。しかし、どのモデルにもしっかりしたテイストがありますから355、360も十分にドライビングを楽しめる素晴しい車です。 F430がどういう車かは、あらゆる雑誌でいい評価を得ているので周知の事実です。 今回はこの個体に関する評価を中心に説明を進めて行きたいと思います。 この車の登録は2006年です。 凄いのは走る為のメーカーオプション満載でカーボンブレーキ、ロールバー、スポーツシートが装着されています。 エクステリアに目を移すと色は濃いブルーが美しいブルーツールドフランス、ボディーは美しさを保つ為にコーティングしてあります。更にフロント周りは飛び石防止用のフィルムが貼ってありますのでボディーの傷等は殆どありません。もちろん保管は屋根つきの車庫だったそうなので、本当にぴかぴかです。 インテリアはと言いますとこれまた程度は極上です。 街の中をドライブしてみましょう。フェラーリV8はF430から特に大きな変化を遂げています。それまでのV8シリーズはある意味レーシングカーのようでした。その為に何かしら乗り込む時は身構えなければならなかったのですが、F430からはレーシングカーの部分は依然にも増して持っています。しかし、それプラスで何も知らない免許取立ての女性でも気楽に乗れたりする。車としての抱擁力が格段にアップしたのです。 いろいろな要素がありますが、まずエンジンです。エンジンはアクセルに乗った微妙な足の動きを敏感に意のままに車に伝えます。 エンジンのハード的な良さだけでなく、ソフト的な要素もバランスを考えてよく作られている事を再認識できます。発進時のクラッチの繋ぎ方にもそれまでのF1 マチックに乗られて知っている方ならびっくりされるはずです。発進も変速も驚くほど上手にスムーズにクラッチを繋いでくれます。 「あれはフェラーリだから運転に慣れがいるんだよ。」なんてところはどこにもない。ギヤチェンジだってそうです。コンピューターが勝手に変速するオートマモードでドライブしても違和感はありません。至ってスムーズです。 でもやはり楽しいのは、ハンドルについているパドルでシフトチェンジする事です。街中をゆっくりドライブしていても車と対話できます。 ハンドルについているマネッティーノに関してもこのF430からの新技術です。 本物のF1は、いろいろな部品をばらばらで調整したい為に、たくさんのスイッチが付いてます。しかし、F430は競争する為の車ではないので、ひとつのダイヤルスイッチでいっぺんにエンジン、ミッション、サスペンションを統合してドライバーの望む状況にコンピューターが調整してくれるのです。ちなみに街中ではスリッピーモードが最適です。 サスペンションは柔らかくなり、路面からの突き上げ等もなく同乗者も快適です。私は高速道路でも路面の良いまっすぐな所ではスリッピーモードを選びます。ちょっと危険かな?と思えるスピード域でコーナリングさせる時はレースモードにいれる事がありますが一般道ではスリッピーモードで十分です。街乗りの話でも言いたい事はたくさんあります。高速域の事だともっともっとあるんです。でもページが足りない・・・ まとめると高速道路での路面への吸い付き感、ハンドルを切った時の前後のロールバランス、かっこいいだけでなくバランスも素晴しいです。しかも走り屋オーナーさんにもちゃんと対応できるカーボンブレーキとロールバーが入ってます。これは是非サーキット走行したい人にお勧めです。 是非、この最新のフェラーリを実感して頂きたい。 とにかく、街乗りからサーキットまで、すごいパフォーマンスを持つ「間違いない一台」でした。
桧井保孝 (ひのいやすたか) 1969年 広島県生まれ 繊細かつ丁寧なドライビングは評価が高く、フォーミラカーからGTカーまで何でも乗りこなす器用なドライバー。 また、「日本一のフェラーリ使い」の異名を持ち、フェラーリ関連のイベント等ではオフシャルテストドライバーとして、F1やFXX等のドライブでもお馴染み。 レースの他、雑誌のライターや各イベント・走行会等でも講師として活躍。